メタボ社員600人が1年で計2トンも減量を果たした

大塚製薬は医薬品のほか、「ポカリスエット」や「カロリーメイト」などの栄養補助食品も扱うトータルヘルスケアの企業だ。健康を“売る”企業だから、社員も日ごろから健康を気遣う生活を意識している。

人事部 部長補佐(兼)ダイバーシティ推進プロジェクトリーダー(兼)健康管理室室長 田中静江さん

人事部部長補佐の田中静江さんは「ふだん運動の習慣がない人がポカリフレッシュで体を動かす気持ちよさを感じ、それが運動のきっかけになるといいですね」と言う。寒くなってきたら肩が縮こまるから広げる体操とか、飲みすぎの人のために胃を動かす体操など、毎回、テーマを変えて飽きさせないのも魅力だ。

ポカリフレッシュが始まった翌年は、メタボリック症候群の診断基準に当てはまる社員を対象に「ウェルネスプログラム」もスタートした。

「健康のためにスポーツクラブに行くのは大変なので、歩くことと食事提案が主体です。みんなに歩数計を配り、体重登録してもらって1年間の体重の推移がわかるようにしました。初回参加者は600人弱で、全員で2t分減量しました(笑)」

ウェルネスプログラムは今も継続しているし、また日ごろ歩く習慣を持つことを推奨している。

「大阪本部では『0円ジムはじめました』と貼り紙をし、楽しくやっています」

こうした毎日の運動に加え、社内外でウォーキング大会も開いている。09年に徳島県板野町で始まった「あさんウォーキングフェスタ」は今や9000人が参加する大会になっている。また空港に程近い月見ヶ丘海浜公園で開催する社内ウォーキング(3km)はすでに19回を数え、最近は愛犬と一緒に歩こうという呼びかけで参加者が増えているそうだ。

トータルヘルス企業だけに自社製品と絡めた健康づくりの取り組みも見られる。

「たとえば胃がんの原因ともいわれるピロリ菌の検査薬を販売しているので、他社に先駆けて02年から健康診断の項目にピロリ菌の検査を入れています」

そうした健康づくりの取り組みが評価され、経済産業省の「健康経営優良法人~ホワイト500~」にも認定されている。