Q:上司と飲みに行って何かメリットあるんですか?

【羽生】うちの会社は飲み会がやたら多い。私はお酒を飲めないからあまり参加しませんけど、社内情報に疎くなったり、人間関係で格差がついたりするのは困るなぁと思います。

【若杉】私も忘年会とか部の飲み会にたまに顔を出す程度。でもお酒に強い人が多くて、明け方4時頃まで飲むから翌日は遅刻するのが当たり前みたいな職場なんです。私が出社したら電話で「いま起きた。これとこれをやっといて」と指示される。

【羽生】いま起きたって(笑)。

【若杉】最近も、先輩の男性と女性社員が飲み会の流れで不倫に発展しちゃって、2人ともすぐそばの席だからやりづらい。そんな飲みニケーションは、ホントやめてほしいです。

【川中】それ聞くと、やっぱり、うちはいい会社だわ(笑)。

【長山】私はたまに飲み会に参加します。ただ、酔ったらすぐ「最近、彼氏とどう?」みたいな、どうでもいい話になるのは困る。もっと仕事に役立つような、実のある話が聞きたくて参加してるんだから。

【羽生】仕事の話題で盛り上がって「よし、あいつが言うんだからやってやるか」みたいに昼の業務に直結するようなこともありますよね。そういう飲みニケーションはうらやましいというか、参加してそこまでいけたらいいなと思います。

【岡田】私は飲めないんですけど、飲み会の雰囲気は好きだから、独身の頃は上司から急に「飲みに行くぞ!」と言われたら、よくついていきました。飲みニケーションは、明らかに上司との信頼関係を築くうえで有効だし、社内の人脈も広がります。だから夫にも、「男社会は人脈だ、誘われたら断るな」と言ってます。

【川中】奥さんの命令(笑)。

【岡田】いまの職場でも、同じ成果を出す男性が2人いたら、上司の誘いについていくほうが、評価のときにプラスアルファがあると感じます。

【川中】本当に重要な情報は会議室やオフィスじゃ聞けませんからね。組織や人事にかかわる話だとか、他人の評判だとか。僕は管理職に昇進するのが早かったんですけど、毎日のように上司や役員たちと飲みに行ってたからだと思います。有益な情報は自分から取りにいかないと、誰も与えてくれませんから。

【羽生】外資系にいた頃、上司が男性だと、部下の女性と2人で飲みに行くのは避けるんですね。でも、いま言われたように、オフィスでは聞けない情報ってたくさんあるじゃないですか。男性の部下とは2人で飲みに行くのに、不公平だなって。

【磯野】僕は週3ぐらいで上司と飲みますよ。僕の仕事が終わるのを上司が待ってる。毎回2時3時まで。

【若杉】翌朝は遅刻ですか?

【磯野】いえいえ、必死に出勤してます。ただ、深夜になるほど上司は説教モードになるし、肝臓の数値は上がるし、つらいですよ。

【山岡】僕はマイルールを決めています。5人以上の飲み会には参加しないとか。人数が多いと話が散漫になるから、飲みニケーションの目的を見失ってますよ。仕事に役立つ情報を得るためなら、じっくり話せる状況じゃないと。もし上司との信頼関係を深めるのが目的なら、会社帰りに一緒にランニングしたり、スポーツジムで筋トレしたり、別の方法はいくらでもあります。目的をはっきりさせることが大切じゃないですかね。

撮影=遠藤素子 写真=iStock.com イラスト=松島由林