▼嫉妬

仕事のできる会社の同僚の評判が気になって仕方がありません。嫉妬している自分にもイライラします。


すべては比べることから始まっている。人と比べてしまうと、一生懸命やっていることにも自己肯定感が持てなくなってしまう。向上心を持つためなら比べる相手は必要だけれど、自分を卑下しないことが大切です。

そもそも学校の成績や仕事の成果など、私たちは幼い頃からずっと比較されて生きています。

ところが仏教では、比べても意味がないという考え方をします。大正生まれの詩人・金子みすゞさんではないですが、「みんなちがってみんないい」、私は私なのです。一方で「こんなふうになりたい」とか、「その人に近づきたい」と思うなど、向上心を持つためには、人と比べることがある程度有効である場合もあります。

ただし、比べることにより、自分がやっていることの大切さがわからなくなったり、一生懸命やっていることに対して自己肯定感が持てなくなったりすると、嫉妬につながってしまいます。

嫉妬の気持ちが生まれたら、机の上や引き出しの整理をするのがおすすめです。いろいろ散在しているものをキレイに整理すると、心の中も整理されていきます。

特に引き出しの中。アイテムごとに分類できる仕切りをつくって、鉛筆は鉛筆、クリップはクリップ、と並べていくと、それぞれほかの文房具と比べても意味がないことに気づきます。「私はクリップなのに鉛筆に嫉妬してるわ」と思えるようになりますよ。

構成=富岡麻美 撮影=冨田寿一郎