ブランドに恥じないものづくりを
理想的な仕上がりはあるのだろうか。社長の小澤さんと店長の伊藤さん、二人にたずねてみた。
「最高の出来は、ふっくらとした、黄金色の焼き上がりです。売らずに永久保存したいほど美しい」と言いながら軽やかに笑うのは小澤さん。長年焼き続けていても、完璧な理想形に出会えるのは年に数回というから、難しさのほどがうかがえる。
伊藤さんはどうか。「僕も、黄金色を目指している」と前置きをしてから、後を続けた。「尻尾まできっちりあんこの入った仕上がりが僕の理想です。今の時代、きれいなものはどこでも出来ます。うちに求められているのは、昔から変わらないもの。わかばのブランドに恥じないものを提供し続けていくことが僕の使命です」とは、何とも頼もしい発言だ。
色よし。形よし。焼き立てのたい焼きは香ばしく、頭からかじると、破けた薄皮の間に熱々の粒あんがぎっしりと詰まっている。味の特徴は、あんこに塩がきいていることだ。だから、尻尾まで食べ終えたとき、後味はさっぱりしている。甘味が尾を引かない。小澤さんと伊藤さんが口をそろえて「食べ飽きない」という理由はそこにある。
冷めても、温め直しても、半解凍でも
たい焼きは焼き立てが一番であるし、日持ちはしない。手土産にする際、「渡す頃には冷めてしまうだろうか。余るほど差し上げてはかえって迷惑だろうか」と悩む場合もあるだろう。だが、冷めても、温め直しても美味。冷凍保存も可能で、半解凍して食べると小倉アイスのような食感を楽しめ、それもまた一興。進物箱に大漁のたい焼きが並んでいる様子は圧巻で縁起もいいので、迷ったら少し多めに購入するといいだろう。
なお、平日でも、昼頃から行列のできる日がある。並ぶ余裕がない場合は、事前に電話で予約をしてから来店するのが得策だ。
「わかば」
東京都新宿区若葉1-10
電話 03-3351-4396
【商品】たい焼き
【価格】150円(税込)
【販売】1個から。箱入りは5個~(箱代別途必要)/電話で予約可能
【営業】9時~19時、土曜は~18時30分、祝日は~18時。日曜定休