実家の片づけ 勝手に捨てると禍根が残る

モノの多い実家の片付けが頭痛の種という人もいるのでは? 片付けのエキスパート、サマンサネット代表取締役社長の杉之原冨士子さんに、実家の片付けの秘策を教えてもらった。

片付けのついでに親と話してみよう!(写真=AFLO)

杉之原さんはまず、「片付け=捨てる」ではないと強調する。あくまで「親がより快適に暮らすためのサポートをするという意識が大事」(杉之原さん、以下同)。親の持ち物は、親自身が納得して処分しなければ、子に勝手に捨てられたという禍根だけが残る。以後死ぬまで部屋を触らせず、結果、遺品整理が大変になってしまう例を杉之原さんは数多く見てきた。

親と疎遠な人は、まずはコミュニケーションの復活からと杉之原さんは言う。

そして、具体的な作業の前に、親の「老い」や健康状態を把握する。「一緒に料理、買い物などの作業をして、体につらいところはないか、認知症の度合いなどを確認しましょう」。そうすれば、何をどこにしまうと楽かの見極めもつき、散らかった現状を責めたくなる気持ちも抑えられる。

「自分の部屋や荷物があるなら、まず、そこから片付けてください」と杉之原さん。すっきりした状態を見て、親も片付けに前向きになる。空いた部屋は後で述べる「一時保管スペース」に活用できる。