頼れる後ろ盾が陰に日向に支えてくれた。だから堀江さんが女性活用を進めるときも男性たちは面と向かって文句を言ってはこなかった。それが「ちょっと失敗だったかな」と反省するときがある。
「昇進したある女性が『女性枠だから』とけなされ、私の知らないところで心を痛めていたと、後で知ったんです。そこまで思い至らなかったのは脇が甘かった」
それでもダイバーシティの流れは変わらない。堀江さんがMDになったとき女性としては2人目で、前の女性との間に9年ほど空いていた。だから自分の後は続くようにと願った。
「役職候補の女性が十分に成長機会を得ているかモニタリングする制度を整備し、また、いろんな組織を確認しながら、『そろそろ彼女はいいんじゃない』なんて後押しすることもあります。最近は女性が積極的になってきたこともあり、女性MDが増えてきました」
堀江さんが活躍する姿も後進の力になっているだろう。
Q. 好きなことば
清流に間断なし
Q. ストレス発散
ピラティス、水泳などの運動
Q. 趣味
ゴルフ、茶道(師範、準教授)
Q. 愛読書
『人間はどこまでチンパンジーか?』ジャレド・ダイアモンド(著)
撮影=澁谷高晴