企業イメージで、人材獲得力が決まる

日本の中堅・中小企業では、現在深刻な人手不足に直面しているが、人が集まらない理由に、経営者が気づいていない企業のブランドイメージを低下させる負の因子がある。

人が集まらない企業の典型例としては、

・就業中はビジネススーツの着用が義務付けられている
・幹部から社員までファッションセンスに乏しい
・オフィスは旧来型の事務机を使い、インテリアへの配慮がない
・上司に背中を見せて働くデスクの配置になっている
・社用封筒・レターへッド・名刺など社用ツールがデザイン化されていない
・トイレのしつらえが古く快適でない。男女別に分かれていない

といった特長がある。

こうした旧態依然としたオフィス環境から、その会社が硬直化し、変化対応力に欠ける企業文化を持つことを敏感に感じ取り、入社するのをためらう人材が増えている。この傾向は大企業でも同様だ。

一方、企業規模が小さく、社歴が浅くても、人材が集まる会社がある。その特長は、

・社員がカジュアルウエアで働いている
・オフィスは知的労働生産性を高めるように配慮され、快適なインテリアになっている
・自由な社風であることがオフィス空間から伝わってくる
・制服のある企業では、デザイン化され独自のユニフォームを採用している
・トイレや社員食堂が快適で、独自の工夫がある

といった点だ。

負の因子を持つ企業が、いかにホームページをデザイン化し、魅力のある企業に見せようとしても、会社訪問した段階で若者たちは柔軟性に欠ける企業であることを読み取ってしまう。企業のブランドイメージは顧客に対してはもちろん、人材を集める上でも欠かせない要素になっている。

※日系航空会社は表向きには身長制限を設けていないが、外資系航空会社では実際に『160センチ以上』や『208センチに手が届く』と、募集要項に明記されている場合がある。これはオーバーヘッドコンパートメント(客室内の頭上にある荷物入れ)に手が届く必要があるためだ。