広さを犠牲にしても立地を優先

稼ぐ力を伸ばすには、住まいも重要なポイントだ。藤田家は現在、郊外の比較的広い賃貸マンション住まいで、毎朝混雑の激しい電車で1時間半かけて都心の会社に通っているという。家賃ももったいないのでマンションを購入したいというが、その際、優先すべきは広さより立地である。働き盛りの30代では特に、広さを犠牲にしてでも立地を優先させ、職住接近にしたい。満員電車のストレスは心身ともに負担が大きく、必ずや仕事に影響するからだ。心身ともに健康で、仕事に集中して収入を増やすのが富豪の選択だ。

価格の3分の2は頭金を用意し、ローンは3分の1にとどめたい。3500万円の物件を買うとしよう。頭金が価格の3分の1(約1170万円)では30年返済で毎月返済額は約8万6000円、総返済額は約3100万円。対して頭金を3分の2(約2330万円)用意すると、30年返済での毎月返済額は約4万3000円で、総返済額は1550万円で済む(金利2%で計算)。

支出面で検討したいのが、保険料。保障を充実させるほど安心と考えるのは早計で、必要な保障を効率的に得ることを考えたい。私が考える必要な死亡保障は、年収の3年分と【1000万円×子どもの人数】から、預金や退職金などを引いた額である。18歳未満の子を遺して親が死亡した場合、国民年金から年間約78万円の遺族基礎年金が支給される(子ども1人の場合)。会社員なら遺族厚生年金もある。だが、これだけでは足りないし、教育費として子ども1人につき1000万円は遺したいので、保険に入るのはたしかに合理的だ。夫の死亡後、妻が働くのが難しいと考えるなら、年収の3年分ではなく、さらに保障を高くする必要があるだろう。安心のためという曖昧な根拠で保険料を払うのではなく、どの程度の保障が必要なのか、夫婦で話し合うことをお勧めする。

富豪の掟●若いうちから積立投資を始める

(構成=高橋晴美)
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