×あるあるNG資料

【bad!】詰め込みすぎはNG。伝えたいことを絞って
スライド1枚の中で説明することは、なるべく少なくすることがポイント。上図の場合、伝えたいことが3項目も入っており、何を一番伝えたいのかがわかりづらい。本人が説明する前に内容がすべて見えてしまうため、聞き手は飽きてしまいます。
【bad!】棒グラフがすべて同色で比較がしづらい
「イースターの認知」項目の「知らない」+「名前だけは知っている」=71.3% 、「どんなことをして過ごすイベント・日か知っている」=28.7% 。この数字はポジティブとネガティブに分かれているはず。しかし同じ色合いのため、何が問題なのか不明確です。
【bad!】ムダな文字が多く項目別に整理されていない
決裁者は短時間で判断しなければいけないので、文字数を極力減らすことが大事。「商品概要」のスライドでは、「商品概要」という言葉が2回も出てきます。詳しく読まないと、どこに何が書かれているのかわからないので、項目別にまとめると良いでしょう。

<野条さんの資料づくりのコツ>
▼味を想像しやすいように配色にこだわる
資料づくりにおいて、色は多用しすぎないことが鉄則だが、野条さんは菓子メーカーならではの色使いをすることも大事と考えている。たとえばカスタードプリン味の商品なら、背景にクリーム色を使うなど、視覚を通じて聞き手が味わいを想像できるような色を使ってアピール。
▼イベントの写真を多く入れ目で見て楽しい資料に
聞き手を飽きさせないことや、“おいしく、たのしく、すこやかに”という会社の基本理念を常に意識。文字を減らし、イベントなどで撮影した写真を入れて、明るく楽しい雰囲気を伝えるようにしている。アニメーションを効果的に使うこともあるそう。
▼ツイッターなどのSNSでお客さまの声をキャッチアップ
企画書の中にお客さまの声を積極的に入れている野条さん。そこで、ツイッターやインスタグラムなど、スマホを使って商品名の検索をかける。「ブログよりも比較的情報が新しく、お客さまのそのときのシチュエーションや生の声がわかります。それを盛り込むと、説得力が増すんです」(野条さん)
野条理恵
森永製菓 菓子食品 マーケティング部。新卒で入社し、アイスの製品計画担当を経て、チョコレート菓子のマーケティング部門に配属。2006年と10年に産休・育休を取得し、11年より現職。
 
前田鎌利
監修プレゼンテーションクリエイター/書家。ソフトバンク在職中、孫正義氏の後継者育成機関の第1期生に選考され1位を獲得。孫氏のプレゼン資料づくりも数多く担当した。著書の『社内プレゼンの資料作成術』シリーズは11万部を超えるベストセラー。
 

編集=福田 彩 撮影=真板由起