Type E:受け身になる
症状:「会話が苦手。商談や雑談が特に困ります」

イラスト=松元まり子

受け身になるタイプは、自分の好きな分野以外にはあまり興味関心を示さない人かもしれません。会話では、静かに話を聞いてくれる人も必要ですが、いつも聞き役に徹していると、「この人は私の話に興味がないのかな」と思われがち。また、自分自身も関心のない話をずっと聞かされるのは耐えられません。会話を楽しめるように、スポーツや天気など何でも構わないので広く興味関心を持ちましょう。

▼処方:アンテナを広く張って情報収集して

1. 相手との共通の話題を探しておく
あらかじめ相手の趣味などを調べておくと、会話に入りやすいでしょう。今はSNSで相手のことがわかる時代です。例えば「最近○○の絵を見て好きになった」といった書き込みがあれば、自分でも見に行ってみる。ただし「○○が好きなんですね」といきなり言うと引かれるかも。「趣味は何ですか?」などと話題を引き出すようにしましょう。

2. 相手のよいところ、持ち物などを褒める
誰でも褒められるとうれしい気持ちになり、そう言ってくれた相手に好感を抱きます。すると場も和んで会話しやすくなるでしょう。褒める対象はなんでもいいのです。髪形やファッション、あるいは名刺入れやバッグなどの持ち物でも。そして「すてきだな!」「いいな!」と思ったことは、臆せず口にしてみて。きっと会話が弾みます。

3. 話す意識よりも質問する気持ちで
無理して話さなくても、相手の話をうまく受け止めてあげるだけでも好ましく思われるもの。聞き上手のコツは「質問する」ことです。「最近何か楽しいことはありましたか」などと尋ね、相手の答えに感想を述べたり、笑ったり、驚いたりといったリアクションを示せば、お互いの距離がぐっと近づきます。そこから会話が盛り上がるでしょう。

魚住りえ
フリーアナウンサー/ボイス・スピーチデザイナー。元日本テレビ放送網アナウンサー。「魚住式スピーチメソッド」を確立し、著書『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は15万部のベストセラーに。新著『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』(共に東洋経済新報社)がある。

福田 彩=編集 大下明文=構成 松元まり子=イラスト 教える人:フリーアナウンサー/ボイス・スピーチデザイナー 魚住りえ