――その中で育ったお子さん2人が2016年春、高校2年生と中学2年生になりました。どんな17年でしたか。
【桜沢】本当に彼はすごいなと思いました。ママ友付き合いも良くて、150人のお母さんに囲まれて男性1人でも大丈夫というところもすごいなあと。
【青木】朝5時半起きでの弁当作りも含め、とにかく子どもと一緒の時間を過ごせて本当に良かったと思っています。
――この形がうまくいったポイントはなんだと思いますか?
【青木】彼女に対する尊敬でしょうか。彼女はすごく才能がある人で、出産を機に仕事を辞めるなんてもったいないと思った。それなら僕が支えたいと。
【桜沢】愛情でしょうか。まず第一に彼のことが好きだった。だから、長くうまくやっていくために互いの役割を変えてきました。それと、私、もともと相手に養ってもらうというより、まず自分が稼ごうというのがあって。自分にしっかり収入があればどんな相手とでも結婚できる、妥協せずに済むという考えがあって、それも大きかったかもしれないですね。彼が子ども好きっていうのは交際中から知っていて、たまたま妊娠のタイミングと彼の仕事のタイミングが合ったから、今の形になっただけで。そうでなくて、彼に当時やりたいことがあったタイミングなら、違う形になったと思う。これから先も、お互いの状況に応じて夫婦の形は変わっていくと思います。
桜沢さんの漫画でもおなじみの桜沢家の長男「りゅっち」と長女「みみたん」の子育て方針について、お二人に聞きました。
1. 子どもには多くを求めない
健康に生まれてきてくれたら十分と思っていたけど、成長とともにだんだん欲が出てしまう。だから時々、原点に立ち戻るように心がけています。(青木)
2. 漢字は漫画で覚えるべし
うちは「漢字ができないなら(ルビが打たれている)漫画を読んで覚えなさい!」と教えてきました。子どもがこのことを友達に話すと驚かれるそうです。(青木)
3. よその子どもにも叱る!
自分の子どもの周りにいる他人の子どもに対しても、いけないことをしたときは彼は本気で叱る。子ども全員に愛情をもって接する主義のようです。(桜沢)
塩月由香=構成 田中真光、早川智哉=撮影