――青木さんは即答したんですか?
【青木】はい。いいチャンスだと思って。子育てってなかなか携われないじゃないですか、メンズは。あとね、子どもを育てるのって初めてだけど、すごく大きな仕事で責任も大きいので、任せてくれたらうれしいなあって思いました。当時はまだ「イクメン」っていう言葉も「主夫」という言葉もなかったから、俺が公言したほうが、逆に認めてもらえるかなって。インターネットもそこまで普及していなくて調べようがなかったから「あ、俺もしかしてパイオニアになれるかも」と一瞬、思いましたね。
【桜沢】そう、そこで「(次男誕生を機に音楽活動を休止して子育てに専念したというジョン・)レノンがいるよ! パイセンがいるよ!」って話したね。
【青木】そうそう、「レノン先輩がいたかー」ってね。
【桜沢】彼はもともと「子どもが欲しいな欲しいな」とよく言っていて。あまりにも夢のように言うものだから、「それで誰の子が欲しいの?」と私も言い返して(笑)。そこから、「産んで誰が育てるの? 私は無理だけど」という話はちょこちょこしてましたね。
【青木】「産むまではできるけど育てるのは無理」って。彼女、その頃、子どもに対して苦手意識もあったので。
【桜沢】今は大好きなんですけどね。
――そのやり取りは交際してどれぐらいの時期に始めたんでしょうか?
【桜沢】31歳から付き合い始めたんですけど、最初はそんな話はもちろんなくて。付き合って4、5年たった頃、この先どうしようってなって。いっそ付き合いをやめたっていいんだよ、という気持ちもありました。その頃に「子どもが欲しい」と言われて。あ、そういえばまだプロポーズされていない!
【青木】そう。してないんですよね。
【桜沢】ひどいでしょう? だからいつでも結婚をほごにできるんです(笑)。
【青木】結婚指輪は買いましたよ(笑)。