――結婚前から一緒に暮らされていましたが、当時の2人の家事分担はどのようなものだったのでしょうか。
【桜沢】5年間、一緒に住んでいたときは、家事といっても家でご飯を作って食べるとか洗濯とかは、自分たちではほとんどしていなかったんです。彼は夜の仕事で、私も漫画の仕事がほぼ夜中で、昼に起きて一緒に外食に出るのが多かったですし、母やいとこが家に来て家事をしてくれる環境だったので。
【青木】アシスタントさんもいたしね。
【桜沢】そう。その中でも、ちょっと出る自分たちの洗い物とかはあって。でも私、当時からネイルサロンに通っていて、すごく長い付け爪をしていたので、ある日、「今度これ付けたらお皿、一切洗えなくなるけどいいかな?」と聞くと彼が「いいよ」と。そのときぐらいから彼が全部やってくれるようになったかもしれないですね。急に全部やってって言うのではなく、ちょっとずつ。それこそゴミ出しを手伝ってくれるとか、掃除機をかけてくれるとか、そういうことって時々してもらっていました。
【青木】まあ、とはいっても、僕の休みとエリカの休みが重なったときなんかは2人で台所に立って、僕が切って、彼女が炒めるなどは、1カ月に何回かはあったんですけどね。
――桜沢さんからの主夫依頼の後は?
【青木】正直、仕事を辞めたものの、生まれるまでの半年間は僕もまだ何をしていいのかわからなかったんです。
【桜沢】私も産休に入ると時間ができたので、料理を作ったりしていました。
【青木】家にいてもそんなにやることがないから、思い立って土木のバイトに行ったりもしました。仕事に慣れてきた頃に「もう生まれるからバイト辞めて」って言われて(笑)。それから一つずつ覚えていったよね。エリカが桜沢家のレシピ集を作ってくれたりして。
【桜沢】そんな、ちょっとだけですよ。彼、研究熱心で、いろんな料理本を読んで、これはどうだろう、あれはどうだろうって研究して作るんです。あと、だいたい食の好みが合っていたのもあって、「これでいこう」というのはスムーズだったよね。