▼部下を伸ばし、チームを動かす新任管理職6つの心得
心得1:自分の目標よりチームの目標を優先する
管理職として一番大事なことは、自分ひとりのことだけ考えていてはいけないということ。自分の仕事の目標達成を考える前に、まずチームの目標をどう達成するかを考えて、デザインする。時には自分の目標を下げて、ほかのメンバーが生きるような形に目標を設定する必要も生じる。チームの目標を実現するための全体最適という考え方で、今後の計画を立てていく。
心得2:リスクを取って大きな成果を狙う
優秀な女性は、優等生体質であることが多く、手堅く仕事をまとめたり、リスクを小さくして、失敗をできるだけ少なくすることに心を砕きがちだ。しかし、チームメンバーを率いている立場なので、手堅さよりもダイナミックさを狙う必要がある。リスクを取って成果を出し、大きな果実を得に行かなければならないという意識も、管理職となればぜひ身につけておきたい。
心得3:チームのビジョンを言葉にして共有する
チームメンバーがそれぞれの個性を生かしながらも、ひとつの方向性を定めて仕事に取り組めるようにするために、チームとしての明確なビジョンを打ち出し、それをみんなで共有できるよう簡潔な言葉でまとめるのは管理職の役目。チームメンバーが新しい行動を起こすときに常に立ち返って確認できるような、行動指針をつくるのだ。紙に書いて目につくところに張ると◎。
心得4:メンバーとは人対人の信頼関係を築く
上司と部下である前に、チームメンバーとリーダーは人対人。人間同士の核の部分での信頼関係を築くことが大切だ。信頼を最初に培っておけば、厳しく接する必要があるときにも、必ず真意は伝わる。チームメンバーになった最初が肝心なので、面談やランチなどで人となりを把握する。管理職は自分からオープンに部下に接し、公私ともに相談しやすい雰囲気をつくろう。
心得5:メンバー以上に勉強する
一緒に仕事をしていると、どんな質問が来るかはわからない。どんな質問にも答えられるよう、あるいは、答えられないときは適切な人を紹介できるよう、常にメンバー以上に勉強し、人脈を広げ、ネットワークを築いて、部下の疑問を解消できるように準備しておく。本や雑誌、メディアから情報を得ることも大切だし、人と会ったり、自己研鑚、自己啓発に励むことも大切だ。
心得6:楽しんでいる背中を見せる
部下にモチベーションを持たせるには、自分自身がまずやりがいを持って楽しく仕事をして、その背中を部下に見せることが、なによりの教育になる。自分がつまらないと思っていれば部下にはそれが伝わって、チームの士気が下がる。できるかぎり部下のロールモデルになれるよう努力する。また趣味の時間を持って自分を高めたり、何にでもチャレンジするよう心がける。
山田 薫=撮影