好立地と思った居酒屋が大赤字に
私は名古屋の出身で、大学時代に教育実習を体験し、教える仕事もいいなと思い、卒業のときは地元の学習塾の求人を探しました。そして当時、名古屋を中心に250教室ほどの個別指導塾を展開していた当社の前身の会社に入社したんです。まだ代表の稲吉(正樹)が塾長と呼ばれていた時代です。そこで英語や国語、ときに数学を教えたり、授業のスケジュール管理をしたりしていました。
入社して初めてわかったんですが、代表がかなりアグレッシブな人で、当時はこれから学習塾以外にも新しい事業にどんどん挑戦していくぞ、といった時期でした。
あるとき、急に外食事業を始めるからと、社員全員で店舗物件を探すことになりました。実際に街を歩きながら、素人なりにいい物件はないかと探しました。そして一人ずつ提案し、一度に5、6店舗をオープンすることになったのです。すると私が見つけてきた店舗が一番の赤字店になってしまい、責任を取って居酒屋の店長に異動するハメに(笑)。
近くに大学があって人通りも多く、決して悪い立地とは思いませんでした。でも今から振り返ると、学生はあまりお金を使わないから、利益が十分取れないんですね。駅前でチラシを配ったり、様々なキャンペーンを打ったりと試行錯誤し、黒字にすることができました。