CASE5:遺言の内容にびっくり! もらえるのは長男だけ!?

イラスト=死後くん

古い考え方の夫の父。長男である義兄は跡継ぎということもあり、夫とは比べものにならないぐらい、子どもの頃から厳しくしつけられていたそうです。しかし亡くなったあとに遺言書を開けてみて驚きました。「財産のすべては長男に渡す」とあり、次男である夫には全くなし。確かに代表として事業を継いでいるのは義兄ですが、うちの夫も少なからずサポートしています。これってあんまりじゃないですか?

●トラブル予防策
遺言書に「全財産を長男に渡す」と書いてあっても、他の法定相続人が最低限確保できる割合=遺留分が民法で定められていますから、次男のほうから遺留分の減殺請求をすれば、長男はその遺留分を必ず支払わなければいけません。とはいえ、これも遺留分相当の財産は次男に渡すとか、次男に遺留分を請求されたときに長男が払えるように生命保険などを用意しておくとか、父親も遺留分を考慮した遺言を残すべきでしたね。

●遺留分について詳しく教えてください!
遺言に書いてある分け方に不満があり、遺留分を侵害されたら、その相手に対して遺留分を請求できます。遺留分があるのは、配偶者や第1順位の子、第2順位の父母などで、第3順位の兄弟姉妹にはありません。

CASE6:同居の親を介護してきたのに妹が普通に請求してくるなんて……(涙)

同居してきた母を介護の末にみとりました。住んでいた自宅はそのままもらうけれど、残された現金は分けようと妹に持ちかけたら「家賃も払わずに住んできたんだから、家はともかく現金はこっちでしょ」って……。

病院の送り迎えから日々の世話まですべてしてきたのは私。妹は何もしてこなかったのに、いざ相続になると、しっかり法定相続分を請求するなんて、ほんとうにショックです。

●トラブル予防策
これも本当によくあるケース。ずっと親の面倒をみてきたから財産は多めにもらいたいところですが、だからといって多くもらえるわけではないのが相続です。そこは、やはり少しでも自分が多くもらえるように、親に遺言を書いてもらうとか、生前に贈与してもらうとか、それこそちょっとの金額でいいので、あとから自分が傷つかないために、あらかじめお願いしておいたほうがよかったのかという気がします。