仕事が「シェア」されているから早く帰れる

OECDの加盟国でもっとも労働時間が短いオランダは、ワークシェアリングを生み出した国。土日のほかに平日も1日休む「週休3日制」で働く人も多く、子どものいる人は「週休4日制」にしているケースもある。

なぜ、そんなことが可能なのだろう? オランダで6年働いている日本人女性は、「仕事が人につくのではなく、シェアされているから」と言う。

「評価は成果主義。業務範囲がはっきりしていて、自分の業務で成果を出していれば、どんな働き方をしてもよいと考えられているようです」

オランダ人は家庭での時間を大事にするので、家族のいる人は仕事が終わればたいてい家に直帰し、男性も女性と平等に子どもの送り迎えをし、面倒をみるのが普通という。

イラスト=ハラアツシ

2番目に労働時間が短いドイツでは、朝早くに業務をスタートして、その分早めに退社する傾向が強く、8時に出社して、夕方4時に帰ったりする。

ドイツに2年滞在している男性によると、「共働きの家庭が多いので、子どもが病気になった場合は、夫婦のどちらかが在宅ワークを行っています」。

業務が少ないときは早く帰宅し、繁忙期の残業時間を振り替えるのが一般的。また、日本とは違って各種サービスや工事業者が平日の日中しか営業しないので、自宅の水道・電気工事の立ち会いをしたり、病院に行ったり、美容院に行くなどの理由でも在宅ワークやフレックスタイムを活用することが多いという。