自分もどこかの落下傘管理職になる。その可能性も視野に入れる

さて、今までは落下傘管理職を受け入れる、そして、その組織の中で自分自身が成長するというキャリアを想定して話を進めてきました。しかし、実際には違うストーリーも考えられます。例えば、その組織の中では、皆さんは管理職のポストに就けないかもしれない。もしくは、就けたとしても頭打ちで、一定のポストよりも上は望めないかもしれない。

けれども「自分としては、いまよりももっと上を目指したい!」と思うのなら、やれることは限られますよね。自分自身がどこかの落下傘管理職になる、つまりはそう、転職です。その可能性も常に視野に入れておく必要があるでしょう。皆さんの多くは、多くの経験を積んでいて、その経験は別のどこかの企業が喉から手が出るほど欲しがるものかもしれないのですから。

いつかそうなる日が来ると想定して準備を進めておくのと、まったく考えないで日々を過ごすのとは、雲泥の差があります。実際、落下傘管理職を探さなくてはならない状態に企業が陥っていまっているのを見れば、あれだけ「人材育成が~」と声高に叫んでいてもなお、準備不足で、結果として困っていることが分かります。

社会人歴が長くなると、新しいことはできないと思ってしまったり、現状の延長線上でしか未来予想図を描けないと考えたりすることが、少なくありません。けれども、いままでの経験があるからこそ、新しいことにチャレンジできたり、思いもよらなかった未来予想図が描けたりするという視点を、ベテラン社会人の私たちは忘れてしまいがちです。目の前で一人シャカリキになっている落下傘管理職を「面倒だなぁ」と思わずに、しっかりと向き合ってサポートする。そうすることで、新しい自分を見つけるキッカケになるかもしれませんよ。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。