最初にナメられないようにガツンといく、という習慣?

ニュースになるくらい鳴り物入りで自社に迎え入れられるほどの大物ではなくても、あなたの周りに、落下傘管理職は意外にいるはずです。

特に、いままでは女性を管理職にするという意識を持って企業が人材育成をしてこなかったツケをここで払うために、言い方は悪いですが“数字合わせ”的な管理職が現れるというケースが増えるはずです。

こう書くとネガティブに聞こえますが、請われてそのポジションに就けるほどの人物です。一定の能力は持っているのは当然。違う組織から一人でやってきて、別の組織のリーダーになろうとするのですから、様々な形で、自分のカラーを出して、存在感を示そうとするというシーンは少なくない。

企業文化が似通ったところからの転職ならまだしも、まったく違った風土からやってきた人の場合、なにかと衝突しがちなものです。自分流を押し出す上司なら、ここで「最初にナメられないようしないと」と思ってガツンといくかもしれません(と書いていますが、それほどあからさまな人は、もはや少数派のような気もしています。今は「こっそり仕掛ける」程度の人が多いでしょう)。部下としての皆さんは、戸惑うと同時に、これからの仕事に影響が出るなと、憂慮することも多くなるでしょう。

さて、このとき皆さんが取るべき行動は、どういったものでしょうか。本コラムの読者の皆さんが、タイトル通り「キャリアの曲がり角」に差し掛かっているとしたら、やることは1つです。落下傘管理職である彼女をしっかりと支えて、彼女から一つでも多くのことを学ぶこと。

理由はとてもシンプルです。いま軋轢(あつれき)を起こしている彼女のポジションに、その次にあなたがつく可能性もあるわけです。そして彼女がわざわざよそからやってきたということは「今のあなたには、そのポジションに座る能力がない」と企業が判断していることを意味します。あなたは空から降ってきた落下傘上司と、自分との違いを見つけ出し、いち早く吸収するしかありません。さらに、孤軍奮闘している彼女の味方になることで、組織内での環境が十分に整備される可能性は高い。殺伐としてしまった空気を変えることができれば、あなたへの信頼も高まるというものです。