時間割を組んだらギャップ分析を

原田博植(はらだ・ひろうえ)さん。株式会社リクルートライフスタイル ネットビジネス本部 アナリスト。人材事業、販促事業、EC事業にてデータベース改良とアルゴリズム開発を歴任。2015年データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー受賞。

【原田】先ほど、「つまらない仕事ほど、圧倒的なスピードでこなすべき」とおっしゃいましたが、早いスピードで仕事をするコツは?

【森川】無駄な時間を過ごさないことです。多くの人は1日のうち、2、3時間は無駄に過ごしてしまっています。でも3時間もあれば、本当は結構な量の仕事ができるんですよね。

私は自分の行動を予測して、2週間分くらいの時間割を組んでいます。そして週末には必ず、1週間の時間の使い方を振り返り、どこが時間割通りに過ごせなかったのか、なぜできなかったのかを考えて実際と計画とのギャップを分析します。ここ10年くらい続けています。人間はだらしないので、つい楽な方に流され、予定していた通りに時間が使えず後悔することになる。その後悔をいかにつぶせるか、常に考えています。会社経営と同じです。無駄な時間やお金を使わないで、いかに成功確率を上げるかを考えるのです。

【原田】森川さんの、仕事のモチベーションは何ですか?

【森川】結果です。目標を設定し、そこに到達して実現したら次の目標を設定する。山に登るようなものです。でも、登る過程で「頑張ってるね」「この道を選んだのはすごい」と褒められてもうれしくはない。登り切ったときに褒められるのはいいのですが。

【原田】育成はどんな考え方でやっていますか?

【森川】あまり「育てよう」という意識はしていません。もともと能力がない人に、能力を持たせるのは難しいですから。ただ、誰でも「気付く」ことはできるので、気付きのきっかけを与えなくてはと思っています。

【原田】「気付きのきっかけ」はどうやって与えているんでしょうか?

【森川】追い込みますね。人は自分の殻を壊さないと成長できませんが、自分では自分の殻を壊せません。ですから、極端な方向に動かさざるを得ません。