あなたのLINEはおじさん・おばさん構文になっていないでしょうか。コラムニストの辛酸なめ子さんは「必要なことをきちんと伝えたいなら、LINEに過剰な思いは乗せず無になってつづれ」といいます――。

※本稿は、辛酸なめ子『大人のマナー術』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

スマホを使用している中年男性
写真=iStock.com/kuppa_rock
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「おじさん構文」の特徴

このところ「おじさん構文」がネットで話題になっています。若い女性がわざとおじさんっぽい文体でメッセージを送り合ったり、キモがりながらも楽しんでいる様子。

以前『めざましテレビ』で「女子が選ぶおじさんっぽい絵文字」が特集されていました。真っ赤な「‼」や「!」、「冷や汗笑顔」と呼ばれる、汗をかいた笑顔、水滴の汗の絵文字、そしてスマイルマークなどが挙げられていました。

「冷や汗笑顔」はたしかにおじさん世代に根付いている風習で、あの木村拓哉でさえもインスタやウェイボーなどで「冷や汗笑顔」の絵文字を使っていて、「おじさん絵文字」だと言われていました。おじさんの気恥ずかしさを表現していますが、汗マークを使いがちなのは若い頃のように新陳代謝を活性化したい、という思いがあるのかもしれません。

また、他の「おじさん構文」の特徴としては「絵文字が多い」「一文が長く、句読点が多い」「何の話かわかりづらい」「語尾にカタカナを多用」などがあるようです。「句読点が多い」ことについてですが、長文でときどき息継ぎしたいという体力の衰えが句読点に表れているように思います。

もはや「おじいさん構文」と化した父からのLINE

例えば以前、高齢の父から受け取ったLINEを見てみると、

「明日、30日に、おねがいします。」

「いま、いただいた、みかんを食べ終わりましたが、ちいさいけれど、とてもおいしかったです。」

といった感じで読点がかなり多く、体力を振り絞っている感じが。もはや「おじいさん構文」です。「おじさん構文」と「おじいさん構文」の違いというと、加齢するにつれて絵文字や「‼」を入れる体力もなくなる、という点かもしれません。