“サバサバ系おばさん”と“ウェット系おばさん”
「おばさん構文」はなんとなくサバサバ系とウェット系に分類されるように思います。
周りの若い男性に、どういったLINEがおばさんっぽいか聞いてみました。
友人のSさんはとりあえず言葉遣いとしては「やれやれ」「アホが嫌い」という具体例を教えてくれました。これはどちらかというとサバサバ系でしょうか。ドライな中に批判やあきらめ、威圧感が漂っていて怖いです。「やれやれ」は村上春樹の小説の中の人しか言わないと思っていました。サバサバ系は低くドスのきいた声で脳内再生されそうです。悪口を言いがちなおばさんも怖がられるので気をつけたいです。
いい意味でサバサバしているLINEもあるそうです。熟女好きの友人いわく「普通、熟女のメッセージはあっさりしているので気が楽です。『一杯飲みに行こうよ』『ごはん行かない?』みたいな。でも中には重い熟女もいて……」と、表情を曇らせるIさん。最近、かなり年上の女性の猛アプローチに遭って大変な日々だったそうです。
怖すぎるスピ系構文を送り続ける人も
「すごいきれいな方だったんですが、1回しか会っていないのに連日重いLINEが来て、もうギブアップです……会う前からLINEで話が通じないなと思っていたんです」
彼女のLINEは「ポエミー」で、お互いが運命の相手だと妄想が暴走している感じだったとか。例えば……「ラブラブ度を占いたいので生年月日を教えてください」と知り合って間もないのに相思相愛感を出してきたり、「ソウルメイト」「ツインソウル」などのスピリチュアルワードも連発。Iさんはスピリチュアルに関心がなかったので戸惑うばかりだったそうです。「ツインテールってどういう意味ですか?」と何度も間違えていたくらいで、意味をお教えしたら怯えていました。
他にも「お互いの目と目を見つめて瞳を感じましょう」とか「次元上昇と現実逃避しながら自分自身を守ってきました」「光と闇の世界の狭間のリアルストーリー」といったこじらせスピ系構文が連日送られてきたようです。私もスピ好きなので、男性のタイプを見極めて送る言葉を考えなければ、と自戒の念を抱きました。トーク相手の価値観やテンションに合わせるのも大切です。
LINEで失敗しないためのコツ
サバサバ系、ウェット系、どちらも圧や念がこもっています。人様に負担を感じさせるおばさん構文にならないためにはどうすればいいのでしょう?
私が最近気付いたのは、LINEを送るとき、無になって浮かんだ言葉を書くと、そこまで押し付けがましくならない、ということです。相手をこうしたい、思い通りにしたい、自分の知識を教えてあげたい、という思いが入るとおばさん構文になってしまう……。できるだけピュアで無心な状態で書けば、きっと相手に素直に受け止めてもらえる内容になることでしょう。
武蔵野美術大学短期大学部デザイン学科卒。雑誌連載、執筆活動の合間を縫ってテレビ出演も。