現代を生きる共働き夫婦の模範解答は……

【河崎環さんの回答】

まったく、世間のおじさんって口下手でカワイイ生き物ですねぇ。おじさんたちが言いたかったのは「うちに帰りたい、奥さんと一緒にいたいと思えるような居場所づくりをしてあげてね」ということなのですよ。たぶん、自分の(家庭に居場所がなくて辛い)経験を経て、心からそう言っているんだと思います。おいしいご飯があれば、それだけでおうちに帰ろうと思うよ、それをきっかけに会話だってできるよ、関係が和むんだよ、そういうことなんですよね。

で、そのおいしいご飯なるものは“奥さん”が“毎晩”、“手作り”せにゃならんものか? というのが、現代の共働き夫婦の議論の焦点となるわけです。家においしいご飯があればいいわけでしょう、自分もホッとしますよね。作るのが妻じゃなくてもいいし、毎晩じゃなくてもいいし(外食の日とか作り置きとか)、手作りじゃなくても大丈夫ですよね(お惣菜デリを活用するとか)。

長い間、子育て関連の分野で相談原稿も書いてきたのですが、これは新米お母さんが子供の離乳食やヘルシーな食生活に悩むのと同じ構図なんです。相手のことを思って、おいしいものを上手につくって食べさせてあげたい。それがいいのはわかっている。でも苦手だったり時間的な余裕がなかったりで、「どうしたらいいですか?」。

私はいつもこう答えます。「ものを見るスパンを1週間にして考えましょう」。毎日完璧な食事を提供するプレッシャーに苦しむくらいなら、3日や1週間で帳尻を合わせましょう、平日は忙しいのなら、休日にいいものを作って食べて、“プラマイ”がプラスになればそれでいいじゃない、ということです。

揚げ物とか焼き魚とか、専業主婦だっていまどきそんなの毎日作らないです。キッチン汚れるし。そういうのは休日の楽しみに残しておきましょうよ。平日は、とりあえずコンビニ弁当じゃなきゃいいや、いやコンビニ弁当だっていいよね、というレベルで発想するくらいじゃなきゃ、自分も相手も持ちません。口下手なおじさん上司の温かい(少々お節介な)助言には、「平日は忙しくて手を抜くことも多くなってしまうんですが、休日は頑張ります(ハート)」でオッケー、です。

女性回答者プロフィール:河崎環(かわさき・たまき)
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。

文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行