ルール3:プレゼン資料の苦手意識を克服するコツ

●最も難しいビジネス文書

イラスト=Takayo Akiyama

報告書もプレゼン資料も、「○○だから○○すべきである」という根拠と主張がそろったメッセージを作り込むことが大切。ただしプレゼン資料は、そのうえで「シナリオ」が必要になる点が大きな違いです。

シナリオとは、スタートのA地点から、ゴールのB地点まで、丁寧に段階を踏んで、相手の変化を積み上げていくストーリーのこと。

例えば、最初は無関心状態の相手に、まずは話題を提供して、「面白そうだ」と興味を引き出す。さらに商品の機能を説明して「それはすごい」と思わせる。「でも自分に扱えるかな」と不安を感じる相手に、操作性の良さをアピールして、最終的に「買おう」という行動に持っていくという具合。

プレゼン資料は、最も難度の高いビジネス文書といえます。ターゲットに合わせてA地点とB地点を設定し、その過程で、どんな球を投げ込んでいくのか。明快な設計図を描ければ、プレゼン資料の苦手意識も払拭(ふっしょく)できるでしょう。

ルール4:資料作りの鉄則を理論的に学ぼう

●絵心、センスは一切必要なし!

イラスト=Takayo Akiyama

誤解されがちですが、資料作成の鍵はセンスではなく、論理です。

「私は絵心がないから図解が苦手」などと言う人がいますが、ビジネス文書の図解は芸術作品ではないので、絵心は一切不要。むしろ情報を論理的に積み上げていくことが重要です。

あらゆるビジネス文書は、論理的に作られています。グラフであれば、内訳を示すときは円グラフ、推移を示すときは折れ線グラフを使います。目的に応じて、選ぶべきグラフはおのずと決まるのです。

色づかいにも、一定の法則があります。色数が多いと目移りしてしまいますから、ベースカラーを決め、色の濃淡で強弱を表すのがセオリーです。一冊、本を読んで基本がわかれば、作成スピードが上がりますし、完成度の高い資料を作れるはずです。

清水久三子著『外資系コンサルが入社1年目に学ぶ資料作成の教科書』より