仕事が速い人は“型”をもっている
少し前に「ルーティン」という言葉が流行ったことを覚えていますか?
「決まっている手順」「お決まりの所作」「日課」などを意味する言葉ですが、五郎丸選手やイチロー選手など傑出した成果を出すアスリートが取り入れていることで注目が集まり、多くの人が自分のスタイルやパターンを持つことの大切さを再確認するきっかけにもなりました。
実際仕事が速い人は、そういった自分ならではの“型”を持っているといわれますが、それは私の経験上からも正しいと断言できます。
かつて私が勤務していた外資系コンサルティング会社、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント(略:PwCコンサルティング)では、個人のみならず組織として一定の“型“を持っていました。
例えば、プロジェクトワークに関する作業手順や利用する文書フォーマット、言葉遣いやキーワードといったことです。
そのことが仕事の標準化をもたらし、業務の効率化に大いに寄与していたのです。
自分の“型”を持つことで得られるもの
もし仮に型を持たなければ、つまりその都度いきあたりばったりのやり方をしていると、本来は減らせる重複作業の発生を許してしまったり、判断する内容にバラツキが生じてしまうことになります。また、他人の意見や、ちょっとしたトラブルに、簡単に自分の指針が揺り動かされてしまうことでしょう。
一方で、自分の一定の型(スタイルやパターン)を持っていると、無駄な仕事の発生を抑えられるだけでなく、リズムができることで素早く着手・遂行できるようになります。その結果、型を持っていない時と比べて、仕事はかなり楽になります。
つまり自分の“型”を持つということは、自分を縛るといことではなく、一定の基本形を持つことで異変や無駄に気づきやすくなり、改善に向けた強力な指針になるのです。
「自分の型を持つ」という考え方は、仕事以外の日常生活にも適用できますし、良い仕事を行うための基盤構築になるため、私は強くお勧めします。