さらなる成長のために、自分で作った“型”を自ら破る
ここまで、自分の型をもつことで享受できるメリットや、その具体的な手段についてお話してきましたが、一方で「型にはまり過ぎると、創造性や柔軟性が損なわれてしまうのではないか」といった心配の声もあると思います。
確かにそういった心配も理解はできますが、世の中のあり様や時代は移り変わるもので、当然ながら求められる“型”も変わっていきますから、それに向けてどんどん自分をアップデートしていかなくてはなりません。
守破離という言葉が意味する通り、人にはいつか必ず自分で作った“型(殻)”を破るべき時が来ます。その時に、ベースとなる“型”があることで、どこに向かってどのように破っていけばいいのかが明確に分かるのです。
人間が変わる方法は3つしかない
型の破り方には大きく2つあります。
まず1つは既存の延長線上で型を破っていく方法です。
たとえば、前項で説明したような、「自分の型を持つ10個の取り組み」それぞれをブラッシュアップしていくイメージです。型を持つことで一定の手応えを感じている人がさらなる向上を目指して取り組むアプローチと言えます。
もう1つはより大きく型を破っていく方法です。
これには世界的な経営コンサルタントとして有名な大前研一氏の言葉が役に立ちそうです。大前研一氏は人間が変わる方法は次の3つしかないと言っています。
「時間配分を変える」「住む場所を変える」「付き合う人を変える」です。
私も普段よく「行ってみて、会ってみて、やってみよ」という台詞を口にするのですが、もしかしたら無意識のうちに影響を受けているのかもしれません。
また、「流れる水は腐らず」のごとく、常に自分を新しい機会や異なる環境に置くことで、自然と変化耐性が育まれていくものと思っています。
以上、自分の“型”をもつことについてお話してきましたが、仕事や人生が安定しないと感じる人は、まずは身近な自分の型を持つことから始めてみませんか?
きっとその“型”に救われ、やがてその“型”を超えていく日が来るはずです。
外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。