なぜ、日本人は有給休暇を取らないのか
前項で述べた通り、日本企業では、慢性的な長時間労働体制が敷かれているので、有給休暇の取得率も低くなります。
下記の「有給を取らない理由」を見てください。
・業務量が多く休んでいる余裕がないから(45.1%)
・職場の人に迷惑がかかるから(41.9%)
・休みの間、代替してくれる人がいないから(32.8%)
・病気や急用のために残しておいて結局、取りきれなかったから(25.9%)
・休養やレジャー等のために取得するのは、罪悪感があるから(18.1%)
・上司が良い顔をしないから(9.3%)
・人事評価が悪くなる(出世できなくなる)から(4.8%)
ここでは、4割以上の人が「業務量が多く休んでいる余裕がないから」と答えています。繁忙期にも人員を増やさず、今いる社員が長時間労働をすることで乗り切っている現実が透けて見えます。
同じく4割以上が挙げている「職場の人に迷惑がかかるから」は、職務内容が限定されていないためと考えられます。
欧米では、一人一人に職務記述書が渡され、そこで示された仕事をきちんとこなしている限り、基本的に文句は言われません。
たとえば、勤務時間中に私用で30分ほど職場を抜けたり、子どもが熱を出したときに仕事を切り上げて早退することも可能です。日本のように、上司や同僚など周囲の顔色をうかがう必要はありません。