新卒採用の責任者としての大失敗
私が入社した当時はスタートアップ間もない、社員数10名もいないような時代でした。雑居ビルに入っているかなり怪しい会社(笑)。短期のつもりが10年以上も長くこの会社にいるようになったのは、喜怒哀楽を素直にぶつけることができ、生意気な発言もしっかりと受け止めてくれるメンバーがいたからこそ。そして何もないところから自ら考え作りあげていくプロセスの中に、仕事の面白さを感じたからです。
そのうち、専業主婦になりたかった私が仕事のやりがいを覚え、またこの会社が大好きになっていきました。入社から数年後、営業として就業している時に、新卒採用を始めることが決まりプロジェクトチームが組まれたんです。ですが当初、私は選ばれず、上司に「なぜ私を入れないのか! プロジェクトメンバーにして欲しい」と直談判しました。すると「そこまで言うなら、お前がプロジェクトリーダーをやれ」ということに。この新卒採用という仕事が、自分のキャリアにとって大きなターニングポイントになりました。大失敗もあったんですけどね。
その年、10人くらい内定を出したのですが、3分の2の人から辞退されてしまったんです。初めての新卒採用だったこともあり、社内体制も整っていなかったりと、内定者を不安にさせてしまったのが大きな理由。いろんな会社を回ってせっかく当社を選んでくれたのにと思うと、今でも心の中に後悔の気持ちは残っています。この経験から、内定辞退をした学生の為にも採用のミスマッチを無くさないといけない! と決意しました。
でも、うれしかった出来事が去年あり、辞退した中の1人から数年ぶりに連絡があったんです。入社した企業で一番出世し、海外での新規事業の立ち上げメンバーに選ばれたので、出立する前にお世話になった吉田さんに会いたいと言ってきてくれて。今でも、不安にさせて内定辞退という選択をさせてしまったことを申し訳なく思っています。ですがこうして人として付き合える関係が出来ていたことに少し救われました。