まずは目の前のことをきちんとやることから
大学に入った頃にバブルが崩壊し、厳しい雇用環境のなかで就職活動をすることになりました。男女雇用機会均等法が始まって10年経っていましたが、まだ仕組みは整わず、新卒総合職採用における女性比率は1割以下の企業も多かったように思います。そこで外資企業に目を向けたところ、最終的に日本ヒューレット・パッカードにご縁があり、一般職の営業アシスタントとして採用されました。
それまで「頑張れば認められる」と思ってきた自分が直面した初めての挫折が就職活動だったと言っていいかもしれません。しかし、状況は状況。まずは目の前のことをきちんとやることだ、営業のことはよく知らないからご迷惑をおかけしないように尽力することだと考えました。結果、2年連続でMVPをいただくことができ、3年目に総合職への転換を希望し、営業職になります。そのチャンスをいただけたとき、せっかくであればトップを目指そう、どこでも通用する営業になろうという目標を立てました。
一般的には「女性には営業は大変なのでは?」と言われることもあるように思いますし、そのように感じている女性もいらっしゃるかもしれません。ですが私は、「目の前の仕事にきちんと向き合うこと」を大切にすることで、その大変さは喜びに変わると考えています。トップを目指すといっても、表彰や他者にご評価いただくことが目的ではありません。会社の看板ではなく、「酒井」にお願いしたいと言ってもらえる。何か困った時には最初に声をかけてもらえる。「お客様の記憶に残る仕事」をご一緒し、ともに価値をつくりだしたいという気持ちを大切にしてきました。