ポーションも程よい「杏子コース」

この日の杏子コース3500円(税別)1皿目は、本日の前菜の盛り合わせ。くらげといくらの紹興酒漬け、子持ちししゃもを甘辛く煮たものに、金時人参のムース。バラのお酒で香り漬けした巻き海老、香り高い醤油で煮込んだ鶏肉にローストビーフなど、6種の盛り合わせ。

2皿目は長芋とたらば蟹のフカヒレスープ。合わせる素材はその都度変わるが、フカヒレは必ず入るというのがうれしい。

3皿目は海鮮。今回は特大天然海老のマヨネーズ炒め。食べ応えのあるプリプリの海老に、あっさりと爽やかなマヨネーズソースがたっぷりとからむ。

4皿目は、山椒風味。唐辛子と山椒をほどよく効かせた、大山鶏の辛子炒め。マコモダケやパプリカのシャクシャクした食感も楽しい。

〆は海鮮とアオサ海苔のスープ麺。豚と鶏がベースの毛湯(マオタン)は滋味深く、蟹や帆立の甘さ、アオサの磯の香りが引き立つ。熱々の汁麺で、お腹も一杯に。

デザートの“やわらか”杏仁豆腐。礼華の名物と言ってもいいほどの人気デザート。寒天だけで固めたとは思えない、ふるふるのやわらかさが、たまらなく美味。中国茶の品揃えも豊富。花が開く姿も美しい工芸茶も3種類ある。写真はジャスミンが香るオーバーザレインボー。2~4人前1200円(税別)。

礼華 青鸞居
東京都港区南青山2-27-18 パサージュ青山1階
電話/03-5786-9399
ランチ/11:30~14:00(L.O.)
ディナー/17:30~21:30(L.O.)
年中無休

今回紹介したランチの杏子コースは3500円(税別、サ込み)。ランチは他に5000~8000円(同)のコースのほか、1300~1600円(同)のサービスランチセット、礼華御膳2700円(同)やアラカルト料理も。5室ある個室は、飲食代金にプラス10%で使用可能。全席禁煙(個室のみ可)。
鹿野真砂美
ライター。旅行誌などの編集を経てフリー。大好きな食の分野を中心に活動中。dancyu誌での執筆は1998年から。合間で6年ほど編集部にも在籍し、さまざまな食の記事を手がけた。レシピ本の制作にも携わり、最近では「銀座 マルディ グラのストウブ・レシピ」(世界文化社)の文・構成を担当。おいしいものをつくること、食べることが生きがい。
 

撮影=石井雄司