Case.2 「一見華やかそうにみえるけど……」
「海外出張や華やかな現場を任せられることの多い女性の後輩。社内の男女問わず、少なからずやっかみを受けているようで少し気になっていました。ある日、深夜の残業中に女子トイレで偶然会ったときに『華やかそうにみえるけど、◯◯するって大変だよね。無理はしないようにね』とふと話したら、他の人からはそんなことを言われたことがなかったようで、驚きまじりに感謝してくれました」(35歳/ITコンサル)
「ダメな子ほどかわいい」と言いますが、上司の目から見ると、失敗しがちな後輩ほど目が行きやすいもの。一見“勝ち組”に見える、優秀な後輩の背後にある悩みや努力についても、フォローしたいものですね。
Case.4 「3年も頑張らなくていい」
「女性の部下から転職願望を打ち明けられたときに、『石の上にも3年と言うけれど、今の時代は変化のスピードが速いから、3年も頑張らなくていいんじゃない?』とつい言ってしまいました。上司としてはふさわしい言葉ではなかったのかもしれませんが、女性は出産や育児の可能性もあるから、短期的なキャリアプランを築くのもいいのではないか? というのが私の意見。それを伝えたら肩の力が抜けたのか、3年以上経った今でも彼女は同じ職場で働いてくれています(笑)」(30歳/公務員・児童施設職員)
人生を賭けて後輩が悩んでいるときは、上司や部下という垣根を越えて、同じ働く女性としての本音をぶつけてみるのも一案でしょう。
Case.5 「人事部に一緒に相談しよう」
「ある男性上司から、あからさまなパワーハラスメントを受けていた女性の後輩。とても消耗しているのに、しっかり者だから『自分にも非があるのではないか?』と不満をはっきり自分から口に出すことがありませんでした。『それはもう人事部に相談するレベルだよ。もしもよかったら一緒に行くよ?』と、パワハラを訴えることを勧めました。そう言って初めて自分の置かれている状況を認識できたようです。自分で人事部に相談に行き、配置転換してもらうことになりました」(27歳/マスコミ)
女性は困難に耐えることを受け入れがちという話もあります。シリアスな状況に陥っている女性の後輩には、「人事部に相談するレベル」など客観的な指標を伝えてあげることも、現状から抜け出す一助になるかもしれません。
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キャリアは違うとはいえ、同性同士だからこそ心の奥深くで理解し合える要素が多いもの。後輩女性を励ますときも本音ベースで話すことで、後輩女性との信頼関係をさらに深めていきましょう。
出版社勤務を経てフリーのライターに。広告案件や企業のオウンドメディアを中心に、女性向けコンテンツ作成を担当。おひとりさま向けウェブマガジンの編集のほか、猫やウェディングに関する雑誌に記事執筆も。
編集協力=プレスラボ