ブラ・リサイクルバッグでプライバシーも守る

――ブラジャーを専用のバッグに入れて店鋪に持って行く形で、回収を行っていますが、他の袋ではダメですか。

【金岡】はい。受け付けられるのは店舗で配布しているブラ・リサイクルバッグのみとなります。リサイクルバッグごと機械で破砕(はさい)されて、RPFという固形燃料に加工されるためです。回収から燃料になるまで一度も開封することがないので、プライバシーも守られます。

キャンペーンは百貨店やチェーンストア、専門店や小売店舗など、ワコールの商品を取り扱う店鋪で実施しています。お近くの店鋪で専用バッグを受け取り、ブラジャーを入れて持ってきていただくと、店鋪からワコール流通センターに運ばれ、その後処理工場に送られます。ブラジャーからできたRPFは製紙工場などで燃料として使われます。RPFは、石炭に比べ二酸化炭素の排出量が少ないということで、今注目されている燃料です。

――捨てにくいため、たんすにストックされがちな使わなくなったブラジャーも、このようなキャンペーンがあると、気持ちよく処分できますね。現在は、店鋪での受け付けのみですが、郵送では受け付けてもらえないのでしょうか。

【金岡】廃棄物処理法が関係しているのです。古いブラジャーをそのまま回収すると一般廃棄物という扱いになってしまい、産業廃棄物処理業の認可でRPFに加工してもらうことができません。しかし52円切手などの有価物と交換すると一般廃棄物ではなくなるのです。このキャンペーンでは、ブラ・リサイクルバックを1袋ごとに、52円切手1枚をお渡ししています。一般廃棄物として引き取るのではなく、古着を52円と交換している形ですね。郵送ですと、切手をお渡しすることができないため、店舗での受付のみとなっています。

ちなみに、切手はオリジナルデザインのもので、毎年デザインが変わりまして、今年はブラ・リサイクルバッグと同じ、かわいらしい動物のデザインです(※なくなり次第、通常の切手のお渡しとなります)。

――ブラ・リサイクルキャンペーンに参加した人からはどのような感想が寄せられていますか?

【金岡】「捨てにくいブラジャーを引き取ってもらえてうれしい」「エコな活動に参加できてよかった」など、ポジティブな感想が多く寄せられています。    

 
【上】キャンペーン実施店舗で配布されるブラ・リサイクルバッグに、不要なブラジャーを入れて、店舗に持って行く。回収されたバッグは、ワコール流通センターから処理工場に送られ、RPFという燃料にリサイクルされる。キャンペーン実施店舗については、webサイトで確認できる。(http://www.wacoal.jp/braeco/)【左下】キャンペーン専用の「ブラ・リサイクルバッグ」。【右下】RPF。回収されたブラジャーは、小指の爪先ほどの大きさの固形燃料にリサイクルされる。(画像提供 ワコール)