●時短管理職も珍しくない

女性従業員の比率や定着率では資生堂に劣らないサンリオ。数々のヒットキャラクターを生み出してきたのはまさに女性の力。

ある30代の女性管理職Bさんは「ヒットしている“ぐでたま”KIRIMIちゃん”“シナモロール”などのキャラクターは女性が開発したもの。キャラクター制作部のトップの取締役も女性だし、女性抜きにサンリオの成長は考えられない」と語る。

女性の定着と活躍を促す仕組みは2000年以降、整備されてきた。

「時短勤務の制度も早く整備されています。時短勤務だと時間単位なので月給は下がりますが、賞与の評価は実績で評価されるので関係ありませんし、昇進の評価でも時短勤務をしているかどうかに関係なく公平に評価することになっています。なので、管理職の時短勤務も珍しくありません」

仕事と子育ての両立は可能だが、仕事は忙しい。

「いくつかのショップを担当するスーパーバイザーと呼ばれる係長職になると、仕事の範囲が広いので残業している人は多いです。毎週水曜日は会社のノー残業デーですが、会社を出てもどこかの喫茶店で仕事をしている人もいるのが実情です」

サービス残業ということになるが、出世よりも自分のやりたいことをしたいという仕事好きの女性が集まっているという。

「特にデザイナー系の部署は出退勤が自由なフレックスタイムを昔から導入しています。いつ出勤し、何時まで働くかは自由なので遅くまで働くことも。労働基準監督署の監督官が労働時間の調査に入ったことがありますが、帰った後に『仕事の邪魔をするな!』と怒ったデザイナーがいたそうです。それだけ仕事熱心な女性が多い。でも最近は会社も長時間労働の見直しに動いています」

●年に2回リフレッシュ休暇

女性が多い小売業界の中でも、約60%という高い女性従業員比率を誇る阪急阪神百貨店。入社後3年間は、販売職として経験を積む。

20代の販売職の女性Cさんは「子どもを抱えて働いている先輩女性も多く、短時間勤務者もいます。定時になるとさっさと帰りますが、誰も気にしないし、ごく日常の光景です。上司は男性と女性が半々いますが、気軽に声をかけてくれるし、プライベートな悩みでも相談に乗ってくれる家族的な雰囲気があります」という。

土日が出勤なのは仕方がないが、「半期に1回、強制的に休ませる8連休のリフレッシュ休暇があり、海外旅行を楽しんでいます」。

未婚だが、結婚しても仕事を続けるつもりだ。「女性上司のモットーは仕事を楽しむことだと言っています。私もそうなれるようスキルを上げたいと思う。でも、子育てと仕事を両立している先輩を見ると、私にできるかなあという不安もあります」と語る。

格付けの構成、解説=海老原嗣生 文=溝上憲文 編集協力=砂塚美穂、池田純子 取材協力=転職・就活に役立つ企業口コミサイト「キャリコネ」