社員が告白! データには出ない本当の話

Aさん:資生堂 管理職 50代男性「手厚い制度に惹かれて入社するキャリア志向でない女性もいます」
Bさん:サンリオ 管理職 30代女性「労働基準監督署の監督官が帰った後に“仕事の邪魔をするな!”と怒っていました」
Cさん:阪急阪神百貨店 20代女性「定時に帰るのが当たり前の雰囲気があります……」

※取材協力者は「キャリコネ」を運営するグローバルウェイを通じて募集。

●ゆっくり働ければよいという女性も

女性の転職では「外資のネスレ、P&Gに匹敵する市場価値を持ち、英語ができれば引っ張りだこ」(人材コンサルタント)と評価の高い資生堂。子育てなどの育児支援策は法定を上回る制度を完備し、人材育成も徹底し、男女別なくキャリアを築ける会社として定評がある。

だが、女性の全員がキャリア志向というわけではない。同社の50代の男性管理職のAさんは、「昇進したくない人もいるのは事実。短時間勤務など恵まれた育児支援環境がもろ刃の剣つるぎになり、それだけを求めて入社する人も。ゆっくりと働ければそれでよいという女性もいます」と指摘する。

「就職四季報 女子版」には、月間の平均残業時間は約20時間とあるが「1日平均1時間というのは少なすぎる。主力の営業職の女性は量販店など取引先相手のため、実際にはもっと残業しているはず。仕事に関しては過保護な配慮もないので、子育てとの両立はかなり大変だと思う」。

女性従業員の比率は男性を上回るが、その割には役職者の女性比率が低い。

「課長職の女性は結構いますが、部長職は少ない。女性も男性と同等に、高い成果を出せば上にいけるかといえば、必ずしもそうではありません。会社も変革に力を入れてはいますが、女性の昇進を阻む年功的かつ男性中心主義の風土がいまだに残っています」