日本、アジア、世界の代表として上を目指す

私は大学2年のときに香港に留学し、いろいろな国の人たちと話をする中でアジアビジネスに関心を持ったことがきっかけで、アデコのCEO for One Monthに応募しました。それでも以前は、「大学を卒業したら、まずは日本で働きたい」と考えていました。それは、日本で“しか”働けないと思っていたから。自分には海外で働く力がないと思っていたのです。

でも今では、「海外だろうと、どこだろうと働けるかな」という気がしています。頑張れば何でもできることが今回の経験で分かりましたから。上を目指して挑戦したいと思うようになりました。

2015年10月1日にベルギーで開催されたフォーラム「Young Talent In Action」でスピーチを行う久乗さん。2016年1月には、「Global CEO for One Month」の集大成ともいえる事業戦略の発表を控える(写真提供 アデコ株式会社)。

Global CEO for One Monthも、残すところあと2週間。これからミラノ、ニューヨークに行き、最後の1週間はグループ本社のあるスイスで過ごしますが、グローバル視点でアデコグループの将来を見据えた事業戦略をまとめるという、最も大きな宿題が残っています。ドゥアズさんに同行した出張では、各国の役員が各市場の状況やトレンドについて発表する会議に同席したので、その内容を参考にしながらまとめます。また、各国のCEO for One Monthである33人が作った事業戦略も反映させなくてはならないので、責任重大です。

実はGlobal CEO for One Monthはここで終わりではなく、まとめあげた事業戦略は来年2016年1月にプラハで開催される、世界60カ国のアデコ社員が集まるリーダーシップ・カンファレンスで発表しなくてはなりません。緊張しすぎて、クリスマスケーキなんて食べていられないかも……。胃が痛くなってしまうので、今は発表のことは考えないことにして、計画をまとめることに集中しようと思っています。

構成=大井明子 撮影=向井渉