Think Big! 悩んだら目の前より先を見る

「メンタリングは次世代への最大の投資です。私も多くのメンターに助けられたし、今は次世代育成に力を入れています」と話す久能さん。今回、主催者側からメンターを依頼され、元々あった予定を変更し、住んでいるアメリカからわざわざ日本に一時帰国してまで役を引き受けた。研究者としても起業家としても成功を収めている久能さんから、メンティたちに伝えたメッセージとはどんなことなのだろうか。

「“Think Big”。大きな規模で考えなさい、ということです。目の前のことに気をとられがちですが、最終目標は何なのか、社会をどう変えたいのか、と大きく考えることが大事です。そして、“Why you?”=なぜあなたでないといけないのか、“Why Japan?”=なぜ日本でやる意味があるのか、そういったことを改めて考えてみるといいですね」

それは、今回参加した11名のメンティだけでなく、働く女性みんなに言えることなのだろう。社会を動かすほどの活動に携わらなくても、自分なら何ができるのか、最終的な目標は何なのか、改めて考えることで目の前のことに取り組む姿勢も変わっていくのかもしれない。

久能さん自身が立ち止まり、悩んだ時の支えになっている一言を聞いてみた。「『世界は広い。人生は長い』。以前にどなたかから聞いた言葉ですが、悩んだら、まだまだ先はあるわ、と少し気楽に考えることにしています」

久能さんはまたアメリカに戻り、岩附さんは日本を拠点に世界の児童労働撤廃に取り組んでいく。2人は海を隔て離れるが、今後も連絡を取り合っていくという。メンターとメンティとの出会いが、世界を変えるアクションにつながる、そんな未来を予感させるプログラムの一幕だった。

※次回の「メンター×メンティ2015」は12/2配信予定です。

撮影=たかはしじゅんいち(久能さん、岩附さん)