組織コンサルティングの現場で、女性リーダーや経営者と接する機会があるという冨樫篤史さんは、彼女たちの責任感の強さを実感するという。そこからくる「勉強熱心さ」には、意外な弊害が隠されていた。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/PATCHARIN SIMALHEK)

管理職ビギナーが犯しがちな過ち

筆者は、都内某所で元部下の女性とランチ中だ。聞くに近々管理職として登用されるとのことで、マネジメントの心得みたいなものを教えてほしいというのだ。

【冨樫】どんなマネジメントをしようと思っているの?
【元部下】今までついてきた上司の善しあしを踏まえてやってみようと思います。
【冨樫】良いと思っているのは、例えばどんなスタイル?
【元部下】1on1とかやって、部下の話をよく聞いて、信頼関係を築こうと思います。エンゲージメントっていうんですよね⁇ これがないと始まらないと思います。信頼関係ですね。
【冨樫】なるほどね。
【元部下】○○(大手リサーチ会社)のデータだと○○っていう統計が出ていて、方針とかに対していかに納得感をもって動いてもらうかが重要だと思うんですよね。
【冨樫】へえ、よく調べているね。
【元部下】失敗を最小限にしたいし、人間関係の修復って難しいじゃないですか。いろいろ調べてから挑みたいと思うんですよね。昔からそういうタイプで……。
【冨樫】たしかに、前からよく考えて、調べて、人に聞いてやるタイプだったよな。
【元部下】コンプライアンスとかも強化したいっていう方針なので、360度(評価支援システム)とかも入れて……。

と、マネジメントに挑む意気込み、準備は十分にできているようだ。