値下がりしないとは限らない

しっかり認識しておきたいのは、「分散したからといって絶対に値下がりしないわけではない」ということです。

以前は日本の株価が下がれば外国債券の価格が上がるといった分散効果が認められましたが、近年では世界中の株価が同時に値下がりする、株も債券も値下がりする、といったことが起きやすくなっています。そのため、バランス型ファンドも値下がりすることがあります。

しかし、株だけを持つより、債券やREITを併せ持っていた方が値下がりの幅を抑えられる効果が期待できますし、値下がりが怖いからと債券や国内にだけ投資するより、株式や海外の資産を加えた方が、お金が増えるチャンスがあります。

ざっくり言うと、値下がりは抑えながら、適度にリターンも狙う、というのがバランス型ファンドなのです。

日本株に投資するファンド、外国債券に投資するファンドなど、複数を組み合わせてリスク許容度などに応じて比率を決めるのもいい方法で、一般的にコストも抑えられますが、仕事が忙しい、子育てが大変、という人には1本で分散投資ができるバランス型ファンドには一定の魅力があると思います。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。