自分の顔をよく見て、素材を知ることが「きれい」への近道

どうやってメイクをしたらきれいになれますか? という問いに、吉川さんはこう答える。「時間があるときに、自分の顔をよく見て、素材を知る。そして自分の素材を否定しないことが大切。持って生まれたものをありがたいと思って楽しまないと。きれいになりたいなら、まずはポジティブになってください」

とはいえ、肌が黒いとか目が細くて一重だとか、肌のシミが気になるとかほうれい線があるとか、誰でも自分の顔のパーツで気に入らない、あるいはコンプレックスになっている部分があるのではないか。「目が一重か二重とか関係ない。コンプレックスの多くは、その人自身の個性です。肌が黒いのがダメだなんて誰が言いました? 健康的な肌は白くても黒くてもきれいです。大切なのはいきいきとした肌の質感。シミ隠しのために厚塗りするとかはダメ。あと、ほうれい線を隠したいなら、厚塗りよりも“笑顔”が一番効きますよ」

きれいにメイクしたいが、朝はいつも時間がなくて……という人も多いだろう。忙しい人向けのメイクのポイントについても聞いてみた。「毎日洋服は違うのに、同じメイク、同じ顔はもったいない。その日のファッションや気分に合わせてメイクをしてほしい。そして(時間がないなら)、いろいろやらないでメイクのポイントを1つに絞り込む。例えば『今日は赤リップの気分』だったら、赤リップをポイントにするなど」

吉川さんのメイクの極意は「素顔を生かし、コンプレックスも個性に変えて“生まれつき美人”に見せる」こと。もともとの顔のパーツを生かすので、自分に似合うメイクなのはもちろん、きちんとメイクしても素顔っぽさがあり、厚化粧に見えづらいのが特徴だ。

自分に似合うメイクとは? 雑誌のメイク特集などにはよく、まるで別人になるような“作りこむ”タイプのメイク方法が出てくるが、吉川さん流のメイクはこれとは真逆だ。いかに自分が生まれ持った魅力を引き出すか、「生まれつき美人」に見せるかがポイントである。以下、具体的なメイクテクニックについて聞いていこう。