3人のプロの意外な結論!「仕事服にトレンドは持ち込まない」
ファッション&美容業界の最前線を走り続けている3人。どんなに攻めたおしゃれ談義になるか、と思っていたら、答えは意外なものだった。
「働く服にトレンドは入れない」
こう言いきるのは数々の“印象管理”哲学で働く女性の支持を得てきた、イメージングディレクターの高橋みどりさんだ。
「よくPW世代の働く女性から『どうすればスーツをおしゃれに着こなせますか』というような質問を受けます。でも、私の答えは、そもそも仕事服にトレンドはいらない、ということ。これは、ビジネス=相手のことを考えることがとても大切で、決して自分中心ではないということ。相手が男性か女性か、どんな場所で打ち合わせをするのか、そして自分が会社でどんな立場に置かれているのかなど。おしゃれやトレンド=自分の利益を考える前に、役割にふさわしい装い=会社の利益を優先していただきたいのです」
ファッション誌でエグゼクティブな女性の着こなしを多く提案してきたスタイリストの戸野塚かおるさんもこう話す。「ある程度の年齢になったら、おしゃれよりもまずは清潔感。センスがあっても清潔感がなければ、仕事をする相手としてふさわしく思われません。たとえば服のシワ、襟元のちょっとした汚れ、消えかかったパンツのプレスなど……細かいところまで、他人は意外と見ています。当たり前のことですが、自身のお手入れがきちんとできていることが、自己管理の徹底ぶりにつながり、それが自然と自分の印象を管理することになるのです」
ビューティ誌で引っ張りだこのヘア&メイクアップアーティスト・千吉良恵子さんの見解はどうだろう?
「オフィスでのメイクで重要なのは、老若男女が素敵だと感じる好感度の高さ。好かれるメイクというのは、相手の信頼を得ることとイコールです。だから、流行を追う必要はない。意識すべきは、透明感、知性、そして信頼感。特に、PW世代の管理職ともなれば、その場にふさわしいメイクを心得ていることが、仕事のセンスのよさをも連想させるはず」
責任ある立場を考えれば、トレンドやおしゃれよりも、いかに相手への思いやりや日々の丁寧な生活を仕事のスタイルに反映させるべきかがよくわかる。