「アスクドクターズ」の運営母体は超優良企業
2015年3月期(第15期)におけるエムスリーの経営成績は、連結ベースで売上高513億円、経常利益152億円、そして当期純利益88億円。従って経常利益率は29.7%、当期純利益率は17.2%という計算となり、かなり高収益だといえます。2014年に経済産業省が発表した全国における経常利益率と当期純利益率の平均は、それぞれ4.5%と2.9%ですので、それに比べれば6倍も高い収益力を誇っていることが分かります。
過去の有価証券報告書をもとに、創業期から今日に至るまでの売上高及び当期純利益率の推移はグラフの通りとなります。
2000年の創業第1期でこそ売上1億円に対し9千万円の当期純損失を出していましたが、それ以降は常に高い収益力を保持しており、しかもものすごい勢いで成長を遂げていることが分かります。自己資本比率は75%以上とかなり安定しており、実質無借金経営です。エムスリーは超優良企業だったのです。
有価証券報告書で開示されている役員の状況によれば、エムスリーは社長を筆頭に、戦略系コンサルティング会社であるマッキンゼー出身の役員が多く、経営に強い人材がブレインについているといえます。また、従業員の状況を見ると、エムスリーの従業員数は274名で平均年齢34才、平均給与730万円と示されています。こうしたことから、エムスリーには若くて能力の高い人材が集まっていると考えられます。優良企業は優秀な人材によって支えられていたのです。
ただ、会社は「アスクドクターズ」だけで急成長し、高収益を上げるようになったとは考えにくい。エムスリーのビジネスモデルはどうなっているのでしょうか。