エントリーすら困難だった就職活動
そんなふうに企業が逆境にある中でも頑張ろうと思えたのは、就職氷河期に女性の少ない不動産業界に就職したことも理由の1つだったかもしれません。
私が入社したのは超氷河期と言われた翌年の1997年。とても厳しい就職活動でした。当時はまだ就職活動にインターネットは活用されていなかったので、志望する企業に応募ハガキを送ってエントリーする時代でした。ところが、女子大生には不動産会社から、そもそもハガキが送られて来ないんです。だから、大学の男友達に頼み込んでハガキを貰わないと、エントリーすらできませんでした。
結局、大手の総合不動産で受けられたのは1社だけ。ほかの業種も受けましたが、なかなか内定が出ず、ようやく決まったのが大京の一般事務職での採用でした。
当時は就職できただけでもほっとして、自分のキャリアを将来にわたって思い描くような余裕はありませんでした。いずれは結婚して辞めるか、あるいは出産して辞めるかだろう。そんな気持ちもありました。