視野の狭くなったバリキャリは、多様な生き方をなかなか認められません。とくに、キャリアとひきかえに何かをあきらめてきた人は、「趣味も仕事も楽しむ女性」や「子育ても仕事も両立する女性」の存在が面白くないのです。

女性の上司は、女性の部下に厳しいとよくいわれます。実際、上の世代のバリキャリは、下の世代のバリキャリに厳しい傾向がありますね。

たとえば男女雇用機会均等法の第1世代(50代前半)。彼女たちは「女性の管理職」という前例がほとんどないなか、自力ではい上がってきたので「女性を活用しましょう」と会社がお膳立てして30~40代の女性が管理職に就任すると、「なぜ、女というだけでゲタをはかせるの?」と反発します。

組織で女性が出世する場合、選ぶ主体は男性であるケースが多いので、上位職の男性のお気に入りになるように振る舞うと、引き上げられることがあります。それゆえに、「期待に応えたい」と、ついいい子になって頑張ってしまう人も多い。このように、「選ばれる性」であった女性の資質が、キャリアにつながっていることもあります。