利用範囲が増えるほどデータ流出のリスクが高まる
マイナンバーがこれほど重要な個人情報とつながっているなら、怖いのは情報漏れ。たとえば、マイナンバーが知られるだけですべての情報が筒抜けになったりしないのでしょうか?
内閣官房の説明によれば、マイナンバーは各行政機関等や自治体が、法律で定められた行政手続きを行うときだけしか使えないとのこと。たとえば勤務先にマイナンバーを教えても、勤務先は書類に記載するだけで、個人情報にアクセスすることはできません。また、これまで各機関が管理していたデータを必要に応じて利用する「分散管理」のしくみになっているとのこと。共通のデータベースを作るわけではないので、個人情報がまとめて漏れることはないそうです。
とはいえ、日本年金機構のデータ管理のずさんさが明らかになったばかりです。どんな形でデータ流出が起きるか、そのときどんなデメリットがあるか、想像のつかないところがあります。
民間利用も含め、マイナンバーの利用範囲が広まれば広まるほど、データ流出や悪用の可能性もどんどん高まっていくはずです。今後はそんなことも頭に入れて、マイナンバーとつきあっていくことにしましょう。
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。