税金の申告漏れは今まで以上に要注意

では、税金面ではどうでしょう?

まず、確定申告が簡単になる場合があります。たとえば「医療費控除」を受けるときは医療費の領収書を提出しなければなりませんが、自分専用のサイト「マイナポータル」を使って健康保険のデータを税務署に提出すれば、医療機関の領収書の提出が不要になることが考えられます。といっても、薬局で買った薬や交通費については領収書などの提出が必要なので、それほど楽にはならないような気もしますね。

一方、税金を徴収する側のメリットはかなり大きくなりそうです。たとえば、税務署ではこんなことになるのかもしれません。以下、勝手な想像ですが……

「○○町のマイナンバー×××××の△△さん、会社員で確定申告してないけれど、配当金をずいぶん受け取っているね。このナンバーで検索かけてみようか……おや、ほかにも株の売却益があるし、生命保険の満期金もあるようだな。それに、セミナーをして講演料も受け取っているね。この人について、もう少し調べてみようか」

実は、株の利益や生命保険の満期金、それにセミナーの講演料については、多くの場合、現在も税務署に支払調書などの法定調書が提出されています。でも現状では、税務署は届いた膨大な数の法定調書を住所や名前を手がかりに仕分けするので、全員分を正確に把握するのは困難なはず。もしマイナンバーも含めた情報をデータベース化すれば、一人ひとりの収入を簡単に一覧できて、申告漏れを見つけやすくなるはずです(もっとも、法定調書の提出されない収入は今までと同じですが)。

収入が給料だけの会社員は何も問題ありませんが、副収入がある人は、税金の払い漏れがないよう、これまで以上に注意が必要になりそうです。