NO残業デーを無くしてほしい

こうした事例は、メンバーがありがちなトピックを編集、脚色して提出し、さらに勉強会で検討を重ねて蓄積していきます。当事者ならではの意見が、小気味いい関西弁混じりでポンポン飛び出します。

「そういえば、うちの育児中の男性から早帰り日をなくしてくれっていう苦情が出たことがあったわ」

某企業では毎週ノー残業デーが実施されています。しかしその日になると「さあ、飲みにいくぞー」という上司のかけ声のもと、ぞろぞろ連れ立って繁華街に繰りだす。「本当は家に帰って子育てをしないと妻に怒られるのに、早帰り日は上司の頭の中では『飲みに行く日』になっている。毎週誘われて苦痛なので、いっそ早帰り日をやめてください」

人事に対して子育て世代の30代の男性からこんな悩みが寄せられたそうです。ちなみに、この男性、「早帰り日」があることは奥さんには内緒。

「知られたら、なんで帰ってこないの!」と激怒されるから……。

もう若い部下が飲みにつきあってくれない東京と違い、まだまだ関西は「昭和」の職場の雰囲気が濃いようです。当然、男性の育児参加に理解がある上司は少ない。

「この上司が奥さんの上司だったら、どんな気持ちだろうね」
「その質問、上司研修に使えそう」

どの会社でもワーキングマザーや子育て世代の悩みは、「女性活用はCSRとしてどこの会社もやりたがっている。でもそれが長時間労働の是正や男性の育児参加促進とイコールではない」ということです。

しかし、女性の活躍はパートナーである男性が、例え週1日でも早く帰宅して保育園のお迎えにいき、寝かしつけまで担当してくれないと難しい。女性が時短のままで活躍できるほど、日本の環境は整っていません。(欧米では時短の管理職も可能ですが。)