目的に応じて会社を選ぶ

受け取った旅行券を何に使えるかは、会社によって違いがありますので、目的に合わせて、どの会社の旅行積立を使うかを検討しましょう。

パックツアーに利用するという人で、利用する旅行会社が決まっており、その会社に旅行積立があるという場合は、その会社を利用するのがベスト。

パックツアーの料金は混雑期ほど高く設定されていますが、旅行積立でサービス額が付けば、その分だけ、安く済むことになります。ただし他社が主催するツアーについては旅行券が使えない、というケースもあります。

「おもに帰省で使う」という人、「航空券だけ買いたい」「電車の切符だけ買えればいい」という人は、チケットの購入ができるかどうかをしっかりチェックしてください。

旅行会社の旅行積立では、国内路線の航空券は不可、海外路線の航空券の購入は可、というケースが多いようです。近畿日本ツーリストなどではJRや私鉄の切符も購入できます。

またJAL、ANAは国内外の航空券の購入にも利用でき、早割などの割引チケットも購入できます。カードを利用して積み立てをすれば、旅行積立のサービス額とカードのポイントが得られるうえ、格安チケットにも使えるなど、二重、三重でメリットを受けることもできます。

元本保証なしなどの注意点も

旅行券には有効期限があり、会社によって5年、10年などとなっています。これも合わせて確認しましょう。

事情があって中途解約する場合には、現金でなく、旅行券で戻るのが一般的です。1年未満での中途解約ではサービス額が加算されない、元本割れする、というケースもありますから、注意してください。

預金などで準備するよりおトク度が高いといえますが、預金は銀行破たんなどの際に預金保険で元本(1000万円まで)とその利子が守られるに対し、旅行積立や、得られた旅行券は、預金保険の対象外です。

旅行券は発行額残高の50%以上を国に供託することになっていますので、万一の際には供託金から資金が分配されます。

また積立中の残高は一般債権と同様に扱われるため、状況に応じた払い戻しになります。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。