ありのままで持ち味を発揮する
でも、同質的な集団が強みを発揮したのは過去の話です。
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代は、欧米が先に開発したものを真似していればよかったし、消費者も「3種の神器」など決まったモノを欲しがる時代でした。
だから、同質集団が大量生産で一気にモノづくりする強みが生きた。
ところが、今の市場はそんなに単純ではありません。
先進国の消費者ニーズは多様化する一方で、新興市場には眠れるニーズが埋もれています。
それらを、他社に先駆けて掘り起こすには、国籍や性別を問わない多様な人材が感度を発揮する組織運営が必要です。
だからこそ、今、各社でダイバーシティ(多様性)が重要な経営戦略の一つになっているのは言うまでもありません。
「レリゴー、レリゴー♪」のアナ雪ではありませんが、従業員1人1人が、「ありのまま」の姿で最大限の持ち味を発揮する。
そして、違う特質を持つ者同士が、同調ではなく、協調する――。
そんな会社が増えれば、いわゆる「オジサン的」な人々は減っていくと思うのですが……。
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。