18歳が妊娠適齢期に!?
【奥田】もう親が娘の生き方に口を出す時代じゃないと思いますが、娘には「産むことを先に考えて」と言いたいですね。私の世代は「会議室で破水した」とか武勇伝を語る人が多いのですが、次の世代には苦労しないで楽に産んでほしい。
【白河】本当にそうですね。同じ苦労をしなさいじゃなく、もっと楽になるように負の遺産は残さないことが大事だと思います。現に奥田さんの周りの女性は、仕事はバリバリで出産も早い。先輩女性が「まず仕事よ。そんな甘いことじゃだめ」とは言わないからだと思いますが……。
【奥田】気が早い話ですが、娘には実は、18歳から22歳ぐらいまでに「先に産んじゃってもいいよー」と言うことがあります。パートナーとして、18歳ぐらいで素敵な男の人になりそうな人を、まだ誰も眼をつけていないブルーオーシャンのうちに賢く見つけるのもありです(笑)。子育てしながら、学業や仕事をしたいという意志があれば、親がサポートできる家庭もあるでしょう。これは極端な発想かもしれません。実際にそうするかは娘の判断ですし、そうすべきと押しつけることもありませんが、それくらいの想像力の幅は持ってもいいと思うのです。数十年前後に「18歳から22歳は出産適齢期よねー」と言っている時代がくるかもしれないのですから。
私は25歳で社会に出ましたが、それで不都合がない業界を選んだ。外資系のIT業界では、22歳の新卒でなくても何の問題もないところも多い。娘は22歳の子持ちは入社出来ませんという会社には行かなくてもいい。逆にそんな会社はやめていいよというフィルターにするくらいがいい。実は最近よく言っているのですが、育児経験は何百万もかかるリーダーシップ研修と同じぐらいのベネフィットがあります。愛に満ちたブートキャンプを終えた人材というくらいに考えてもいい。
私のなかでは、娘の時代はスーツを着て就活しなきゃならないというイメージはないですね。各企業のインターンをしていれば縁もできるし、社会に出るのは22歳じゃなく25歳でも27歳でもいいと思います。実際私が社会に出たのは25歳だったわけですし。
とにかく、全員が同じ価値観、横並びで人生をおくる時代は終わったと私は思っています。こういう話をすると「そうはいっても……」という反論が必ず出てきますが、反論が沢山出てくる時代こそが健全だと私は思っています。で、「そうはいっても……」と言う人がそこをうまく解決する行動をおこせばいい。