中途解約するとどうなるか

金融商品を選ぶうえでは期間を考えることも大切で、お金を使う時期を考慮して適した期間のものを選ぶ必要がある。資格をとりたい、子どもの教育費に充てたいなど、働く女性、子育て中の女性にはまとまったお金を使う予定がたくさんあるので、普通に考えると10年は長いのだが、変動10は、発行から1年以上経過すれば1万円単位で中途解金できるので大丈夫。

中途解金では、直前2回分の利子の一部が差し引かれる。具体的にいうと、差し引かれるのは、『直前2回分の税引前の利子相当額×0.79685)』で、額面金額からそれを差し引いた額が払い戻される。2回分の利子の一部が引かれるだけなので、元本割れすることはない。

したがって、1年以上は使わずに済むお金、数年おいておけるお金であれば、変動10で増やすことを考えてもいい、ということになる。

少額ずつ、継続的に買っていくのも楽しい

個人向け国債は、毎月発行されており、1万円以上1万円単位で購入できる。扱っているのは銀行やネット証券を含む証券会社など。まれに口座管理料がかかる金融機関があるので、無料の金融機関を選ぼう。

毎月発行されているので、毎月1万円ずつ買って教育費に備える、といった使い方もできる。教育費には学資保険やこども保険を使っている人も多いが、保障も付いているため、満期金が払い込んだ保険料の合計を上回る、元本割れ状態になる商品も。個別の商品、また今後の金利の行方にもよるが、増やすことを優先させるなら、個人向け国債を検討する価値もあるだろう。

たとえば半年ごとに個人向け国債を購入していけば、半年ごとに次々と満期がきて、ちょっと楽しそう。定期的に購入して必要に応じて解金していく、または償還されたらその時点で新たな預け先を考える、という使い方もよさそうだ。

ただし、1点気を付けたいのは、満期時(または中途換金時)に元本と利子が支払われるのではなく、年2回利子が支払われる(普通預金口座などに払い込まれる)という点。受け取った利子をきちんと管理しないと、増えた実感も得られないし、いつの間にか使ってしまう、ということにもなりかねない。いつも使っている銀行とは別に、個人向け国債の取引のために口座を開く、というのも手だろう。

発行は毎月15日で、発行の前月の2週目頃から月末までが募集期間となる。

定期預金に性質が近い金融商品(ただしリスクはある)として、覚えておこう。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。